麻酔科(救急集中治療)
診療責任者
代表的な対応疾患
- 交通事故などの多発外傷による出血性ショック
- 感染症による敗血症性ショック
- 薬物中毒や薬剤などによるショック
- 脳出血・くも膜下出血などによる意識障害
- 喘息や肺炎などによる呼吸不全
- 急性心筋梗塞・大血管疾患などによる循環不全
- 血液浄化療法が必要な急性腎不全や肝不全
- 輸血・内視鏡的処置が必要な消化管出血
- 大手術後(脳・心臓大血管・食道・肺・肝胆膵など)の全身管理
診療内容
急病救急、外傷救急、大手術後など救命救急センターに入室される患者さんは多様な経路を取りますが、基本的な診療内容は全ての重症疾患に共通します。疾患が重篤化すると呼吸状態が悪化しやすく、血圧が不安定となります。肝臓・腎臓の機能障害を合併することもまれではありません。これらの結果、意識状態まで悪化することもしばしばあります。
疾患の重症化は、さまざまな臓器の機能を同時に低下させる多臓器機能障害と呼ばれる状態を引き起こします。われわれは、原因となっている疾患の治療を行うとともに、各臓器のサポート治療を速やかに開始します。このような治療は集中治療(intensive care)と呼ばれ、具体的には人工呼吸器・血液浄化装置(HD・CHF・CHDF・PE・PMX-DHPなど)・大動脈バールーンポンプ(IABP)・経皮的心肺補助装置(PCPS)などの特殊機器を用いて危機的状況に対応しています。
入院病棟である救命救急病棟とICUは合計26床あり、専従の集中治療専門医(救急・集中治療部、麻酔科医師)が24時間患者さんの側で生命維持・治療・監視に当たります。これに各診療科の医師・看護師・臨床工学技士・リハビリテーション科療法士が治療に参加するチーム医療を積極的に実践しています。
診療方針
救急外来(ER)では、ウォークイン患者さんの全員に救急外来受付の時点で看護師によるトリアージを行っています。トリアージは選別という意味で、簡単な問診と血圧・体温・呼吸数などのバイタイルサインからそれぞれの患者さんの重症度を判断します。重症な患者さんをできるだけ早く見つけ出し、迅速な対応を可能とするために行っています。
救命のためには重症度が高い患者さんの診察・治療が最優先されます。救急受診されても場合によっては待ち時間が長くなることもありますが、救急医療の特殊性に起因するものです。ご理解をお願いいたします。また、救急疾患の初期診療は若手医師の必須研修業務となっています。時に、行き届かないことが生じることもあります。各科専門医が迅速にバックアップする体制になっておりますのでどうかご了承ください。
診療実績
疾患別の治療・手術・検査実績(件)
2018年 | 2019年 | 2020年 | |
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病院外心停止 | 277 | 283 | 271 |
重症急性冠症候群 | 173 | 172 | 163 |
重症大動脈疾患 | 65 | 73 | 54 |
重症脳血管障害 | 122 | 139 | 144 |
重症外傷 | 79 | 77 | 124 |
指肢切断 | 2 | 3 | 2 |
重症熱傷 | 1 | 1 | 2 |
重症急性中毒 | 8 | 8 | 11 |
重症消化管出血 | 132 | 133 | 106 |
敗血症 | 33 | 63 | 59 |
重症体温異常 | 8 | 5 | 12 |
特殊感染症 | 1 | 1 | 2 |
重症呼吸不全 | 53 | 53 | 40 |
重症急性心不全 | 30 | 59 | 84 |
重症出血性ショック | 1 | 8 | 2 |
重症意識障害 | 4 | 8 | 6 |
重篤な肝不全 | 0 | 0 | 0 |
重篤な急性腎不全 | 14 | 8 | 7 |
その他の重症病態 | 13 | 10 | 15 |
医師紹介
氏名 | 役職 | 出身大学 | 医師免許取得年 | 指導医・専門医・認定医など |
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鈴木 宏康 | 医長 | 名古屋市立大学 | 2005年 |
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小笠原 治 | 医員 | 名古屋市立大学 | 2011年 |
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濱田 一央 | 医員 | 名古屋市立大学 | 2015年 |
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磯谷 肇男 | 医員 | 岐阜大学 | 2017年 |
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岩井 健朗 | 医員 | 名古屋大学 | 2018年 | |
井上 風吹 | 医員 | 名古屋市立大学 | 2019年 | |
柴野 雅資 | 医員 | 宮崎大学 | 2019年 |