循環器内科/心臓血管外科
診療責任者
- 杢野 晋司
-
- 循環器内科部長
- 兼 循環器センター長
- 原田 光徳
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- 循環器内科管理部長
- 兼 心臓集中治療室室長
- 斉藤 隆之
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- 心臓血管外科部長
- 兼 循環器センター副センター長
- 梶口 雅弘
-
- 循環器内科管理部長
- 浅野 喜澄
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- 循環器内科 管理部長
患者の皆さまへの一言
循環器疾患とはどんな病気でどんな症状があるのか分からない人も多いと思います。
心臓、脈管系に関連するすべての疾患を対象としていますが、その症状はさまざまで、
紹介により当科を受診する人は少なくありません。
多くは高血圧、不整脈、心疾患、その他動脈硬化による大動脈、末梢動脈の病気で、これらを専門的に診断治療していきます。
中には無症状でありながら命に直結する病気もあり、早急な治療が必要となることがあります。
重大な疾患であれば治療方法に迷われる方もいるとはおもいますが、セカンドオピニオン(もう1人の医師の意見)として意見の聞きたい方も事前にご連絡いただければ外来にて対応させていただきます。また、現在当科を受診されており、他病院にてセカンドオピニオンを聞きたい方は主治医にお知らせください。可能な範囲内で資料をお貸しできるよう対応させていただきます。
代表的な対応疾患
- 虚血性心疾患
- 不整脈
- 弁膜症
- 大動脈瘤(胸部・腹部)
- 閉塞性動脈硬化症
- 下肢静脈瘤
診療内容
当科は心臓や血管の病気を診る科です。対象となる病気には、急性心筋梗塞、狭心症、心不全、弁膜症、不整脈などの心臓の病気、大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤などの血管の病気などがあります。
当科の特徴は循環器内科と心臓血管外科から成り立っていることです。この方式の利点は、内科と外科の両方の立場から検討して一番よいと考えられる治療方法を選択できるという点です。循環器科治療の分野は進歩が目覚ましく、内科と外科の境界もあいまいとなりつつあります。このような傾向に対して優れた体制であると考えています。
病棟は3棟6階にあり、ベッド数はCCU(集中治療室)4床を含めて43床あります。
○ 2016年9月より、発作性心房細動の治療に冷凍アブレーションを導入しました
■ 心房細動とは?
心房細動とは心臓で起こる不整脈の一種で、心房が規則正しいリズムで動いていない状態を指し、心拍数が異常に多くなることが多いです。
心房が規則正しく動かなくなると、心房から心室に血液を十分に送ることができず血栓が出来やすくなります。この血栓が血流にのって脳などに移動することで脳卒中を引き起こす可能性があり、心房細動の患者さんはそうでない方に比べて脳卒中の発症リスクが5~7倍になるといわれています。
■ 冷凍アブレーションとは?
アブレーションとは、太ももなどから細い管(カテーテル)を入れて心臓まで通し、不整脈を起こしている部位を直接治療する方法です。これまでは高周波エネルギーを用いて患部に熱を加える高周波アブレーションを行っていましたが、治療に時間がかかり痛みが出る場合がありました。
一方、冷凍アブレーションは、カテーテルの先端に付いている風船で患部を凍らせて(-40~50℃)治療します。高周波アブレーションと比較して患者さんの体に優しく、治療時間の短縮(3~4時間→1.5~2時間)や合併症リスクの低減、再発率の低減などが期待できます。
※心房細動が長い間続くと、左心房が大きくなってアブレーション治療の成功率が下がり、実施できない場合があります。
治療を希望される方は、かかりつけ医からの紹介状をご持参の上、循環器科を受診してください。
○ 2016年2月より、外来心臓リハビリテーションを行っています。
■ 心臓リハビリテーションとは?
心筋梗塞や狭心症、心不全、心臓手術後の方が、症状の軽減、日常生活や職場への復帰、再入院や再発作の予防、より快適な生活維持のために行うものです。
心疾患の背景に、高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙などがあることが多いため、薬にくわえて食事療法や運動療法が必要です。
運動療法は、心不全や心臓術後の息切れや疲れやすさを軽減するだけでなく、心筋梗塞の再発や心不全での再入院の予防、更には生存率の改善にもつながります。
安全に運動療法を行えるように、心肺運動負荷試験を行って、運動療法のメニューを調整し、理学療法士の指導下で運動していただきます。
あわせて、看護師による体調管理状況の確認や生活指導、栄養士による食事相談なども行っています。
多職種が連携して患者さんと関わることで、病気の自己管理ができるように支援していきます。
※当院は、心大血管疾患リハビリテーション(Ⅰ)の施設基準を取得しています。
※リハビリテーション科の紹介ページもご覧ください。
○ 末梢動脈疾患の血管治療を行っています。
■ 末梢動脈疾患(PAD)とは?
多くは、閉塞性動脈硬化症(ASO)といわれてきたもので、動脈硬化により血管が細くなったり詰まったりする病気です。下肢の動脈に生じると、歩くと足が痛くなる間欠性跛行や、重症になると安静にしていても足が痛い・足の傷が治らない・足に壊疽がある(腐る)といった症状がでます。足への血流低下が原因ですので、ABIといって、上腕と足首の血圧を測定して、足の血圧が下がっていれば、造影検査を行って診断します。
足の病気ではなく、血管の病気ですので、全身の他の動脈に閉塞病変を生じると、脳梗塞(脳や頚の動脈)・心筋梗塞や狭心症(心臓の動脈)・難治性高血圧症や腎機能障害(腎臓の動脈)などを生じますし、血管が大きくなると大動脈瘤などを生じ得ます。実際、下肢の動脈疾患の方の半数以上は、心臓の動脈にも病変を生ずるとされます。
このように重篤な病気を合併しうるため、血管(局所)の治療だけでなく、合併する他の動脈病変の評価や治療、さらに禁煙や高血圧・糖尿病・脂質異常などへの介入も必要です。
■ 血管内治療とは?
心筋梗塞や狭心症では、心臓の動脈に対するカテーテル治療が普及していますが、末梢動脈疾患でも、低侵襲なカテーテル治療(血管内治療)を行っています。
高齢の方、心筋梗塞や脳梗塞などを合併されている方も多く、低侵襲で入院期間が短くてすむ血管内治療は有利な点が多いとも言えます(予定治療の場合は2泊ないし3泊で行っています)。
※長区域の閉塞病変でも血管内治療を行っていますが、血管の性状や病状経過などによっては、バイパス術をご提案・お勧めする場合があります。
診療方針
患者の皆さま第一主義を基本とし、インフォームドコンセントを重視し、十分理解していただいた上で治療方針を決定します。内科的治療と外科的治療の利点・問題点を理解していただいた上で希望の治療を選択していただきます。
また、ご高齢の患者さんや心肺機能の低下した患者さんにも手術を行う機会が増えたため、お体への負担をなるべく少なくするよう取り組んでおります。冠動脈バイパス手術では約7割の患者さんに人工心肺を使用せず施行しています。また大動脈瘤の患者さんの場合、発生部位・年齢・全身状態を考慮して2~3cm程度の小さな傷で治療できるステントグラフト治療も積極的に取り入れております。
診療実績
外来・入院患者数(人)
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | |
---|---|---|---|
外来患者数 | 32,158 | 31,192 | 26,268 |
入院患者数 | 20,073 | 21,889 | 21,151 |
疾患別の治療・手術・検査実績(件)
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | |
---|---|---|---|
心臓カテーテル検査 | 395 | 395 | 335 |
冠動脈インターベンション | 309 | 331 | 293 |
カテーテルアブレーション | 108 | 121 | 99 |
ペースメーカー移植術 | 89 | 60 | 69 |
末梢動脈疾患の血管内治療 | 66 | 86 | 81 |
冠動脈バイパス術 | 39 | 34 | 39 |
弁膜症手術 | 24 | 27 | 33 |
その他の開心術 | 5 | 4 | 6 |
胸部大動脈手術 | 30 | 28 | 22 |
腹部大動脈手術 | 22 | 34 | 36 |
ステントグラフト内挿術 | 27 | 20 | 23 |
末梢動脈手術 | 42 | 34 | 25 |
静脈瘤手術 | 24 | 36 | 23 |
医師紹介
氏名 | 役職 | 出身大学 | 医師免許取得年 | 主な専門領域 | 指導医・専門医・認定医など |
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杢野 晋司 | 循環器内科部長 循環器センター長 |
名古屋大学 | 1991年 | 循環器内科 |
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原田 光徳 | 循環器内科管理部長 心臓集中治療室室長 |
名古屋大学 | 1992年 | 循環器内科 |
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斉藤 隆之 | 心臓血管外科部長 循環器センター副センター長 |
名古屋市立大学 | 1993年 | 心臓外科 |
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梶口 雅弘 | 循環器内科管理部長 | 三重大学 | 1998年 | 循環器内科 |
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浅野 喜澄 | 循環器内科管理部長 | 愛知医科大学 | 2000年 | 循環器内科 |
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新保 雄作 | 循環器内科医長 | 愛媛大学 | 2006年 | 循環器内科 |
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沼田 幸英 | 心臓血管外科医長 | 名古屋市立大学 | 2009年 | 心臓血管外科 |
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辻 太一 | 循環器内科医長 | 藤田保健衛生大学 | 2010年 | 循環器内科 | |
組橋 裕喜 | 循環器内科医員 | 香川大学 | 2016年 | 循環器内科 | |
北原 太樹 | 循環器内科医員 | 三重大学 | 2017年 | 循環器内科 | |
北村 浩平 | 心臓血管外科医員 | 名古屋市立大学 | 2017年 | 心臓血管外科 | |
榛原 梓良 | 心臓血管外科医員 | 名古屋市立大学 | 2019年 | 心臓血管外科 | |
山中 雄二 | 顧問 (高浜豊田病院副院長) |
名古屋市立大学 | 1983年 | 血管外科 |
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藤井 亜弥 | 医師 | 愛媛大学 | 2005年 | 循環器内科 |
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